教育 卒業後・キャリアパス

卒業後の進路

医療看護学部で看護を学んだ後は、看護師、保健師、助産師として働くことができます。 

また、看護についてより深く学ぶために⼤学院へ進学すると、学位を取得して⼤学教員や研究者となったり、専⾨のコースや教育機関で学んで専⾨看護師や認定看護師として働いたりすることもできるようになります。

卒業⽣の就職状況

医療看護学部の特徴の⼀つとして、⾼い就職率が挙げられます。 その要因としては、医学部の附属6病院へ就職する学⽣が多いことが考えられるでしょう。 

もちろん、国⽴病院や他⼤学の病院に就職する卒業⽣、⼤学院へ進学する卒業⽣もいるので、⾃分の将来の⽬標に合わせて、学習を進めていくことが⼤切だと⾔えます。

2022年度 卒業生の進路実績

大学院医療看護学研究科について

より専門的な看護の知識・技術を身につけたい学生、資格認定制度を利用したい学生の多くは、大学院へ進学します。 

順天堂大学の医療看護学研究科は、多様な価値観を持つさまざまな健康レベルにある人々の幸福の追求と、QOLの向上を支援することができる、高度な看護実践能力を有する看護専門職者及び教育・研究者の育成を目指しています。
具体的に目指すのは、質の高い看護実践能力、教育能力、研究能力を培い、看護職者の生涯発達を支援し、国内外を問わず多様な場で社会貢献できる看護職者の育成です。 

さらに、健康を幅広くとらえた「健康総合大学」として発展してきた本学・大学院の特長を生かして、医学研究科やスポーツ健康科学研究科と連携した教育を行っています。 

大学院の詳細については、医療看護学研究科専用サイトをご覧ください。

キャリアパス

卒業した学生は、看護職として、様々な進路を歩んでいきます。
将来の進路に合わせて、自分らしいキャリアプランを見つけましょう。

学生が描く、キャリアプラン

医療看護学部の学生は、次のようなキャリアプランを描いています。

 

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看護職として働くには

卒業時に取得した単位内容に応じて、看護師・保健師・助産師の国家試験受験資格が得られ、試験に合格すると看護職者として様々な分野で活躍できます。 

主な職業や就職先については、以下をご覧ください。

看護師

順天堂大学医療看護学部には、看護師として働くための知識を身に着けるカリキュラムが整えられています。
卒業生は皆、様々な授業や実習を通して知識と経験を付けた後は、附属病院を始めとする様々な病院へ就職して、看護師として活躍しています。

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医療看護学部で学ぶこと

医療看護学部では、在学中の4年間で、看護に関する知識と実践力を身につけられるようにカリキュラムを組んでいます。

1、2年次の学習

1、2年次の科目群は、「人間と教養」「人間の健康」に関連の深いカリキュラムで構成されている点が特徴です。
教養では、古典から現代の学術に触れ、政治、経済、法律まで網羅します。健康では、保健・医療・福祉分野の基礎知識、看護に必要な基礎医学を学ぶことができます。

3、4年次の学習

3、4年次では、看護師になるための「看護の理論と方法」「医療看護の統合と発展」の科目群から深く学びます。臨地実習が中心となるので、小児、成人、高齢者、母性、在宅、精神の分野別に実施される点が特徴です。
2、3週間ごとに順天堂大学医学部附属病院、医療福祉施設などで実習を行い、看護を実践していきます。

附属6病院への就職

医療看護学部を卒業することで、順天堂大学医学部附属6病院に優先的に就職することができます。毎年、数多くの学生が就職しており、その割合は、卒業生の90%以上を占めています。

保健師

選択制となっています。希望者は指定科目を履修し、単位修得することにより保健師国家試験受験資格を得ることができます。

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医療看護学部で学ぶこと

医療看護学部では、選択希望者全員が指定科目を履修することができます。

1、2年次の学習

保健師国家試験受験資格取得希望者は、2年次に「法と生活(日本国憲法)」の単位を修得する必要があります。

3、4年次の学習

3年次と4年次に開講する「公衆衛生看護活動論」「地域診断論」「学校保健」「産業保健」「看護健康教育論」「公衆衛生看護学実習Ⅰ・Ⅱ」の実習を選択し、単位を修得する必要があります。
必要な単位をすべて修得した学生は、卒業と同時に、保健師国家試験受験資格を取得することができます。

主な職場

保健師は、学校や企業、保健所などで集団検診や健康相談などの保健指導を行う職業です。乳幼児から高齢者まで幅広く対象としています。
主な職場は、市町村の保健センター、企業、学校、訪問看護ステーションなどです。

保健師が活躍する領域は、地域全般にわたります。そのため保健師には、看護能力に加えて、地域の特性、自治体ごとの施策なども考慮して健康をマネジメントしていく能力が求められます。

上記科目は2022年度以降の入学生を対象としたものです。
2021年度以前に入学した学生については、入学年度の履習要項をご確認ください。

助産師

選抜制となっています。希望者は選抜試験に合格の上、指定科目を履修し、単位修得することにより助産師国家試験受験資格を得ることができます。

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医療看護学部で学ぶこと

希望学生が多い場合は、3年次に希望者から10人程度を選抜する試験を実施し、選抜試験とそれまでの学業成績などから総合評価で履修者を決定します。
看護師国家試験受験資格を得るための学修と並行して進める必要があるため、十分な学習計画と意欲的な学習姿勢が必要です。

1、2年次の学習

助産師国家試験受験資格取得希望者は、2年次に「性と生殖」「ウィメンズヘルスナーシング」「家族看護論」の単位を修得する必要があります。

3、4年次の学習

希望する場合は、3年次前期から4年次後期に開講される「母性の心理・社会学」「助産学概論」「助産学実習」「助産管理」などを履修する必要があります。

「助産学実習」では、指定された病院の産科外来、産科病棟、新生児センター(NICU)で実習を行います。分娩介助を行うことはもちろんのこと、妊娠・分娩・産じょく期にある一人の女性とその家族に対して、継続して助産ケアを実践します。
この継続看護を通じて、各期に必要な健康診査や助産診断の能力、助産計画の立案能力を身に付け、周産期における助産師の役割を理解することを目指しています。

主な職場

助産師は、病院、診療所や保健所などで勤務できるほか、医師と同様に開業権が認められており、自ら助産院を開業することも可能です。

専門看護師(CNS:Certified Nurse Specialist)

医療の高度化・専門化が進むにつれ、看護の質の向上も求められるようになりました。高いレベルの知識と技術を持った、「専門看護師」として働くためには、大学院で特定の専門分野を奥深く学習することが必要です。

専門看護師(CNS)とは?

日々変貌する医療・保健・福祉の場において、柔軟かつ斬新的・創造的に対応でき、教育・研究能力を備えた特定の専門看護分野において高度な看護実践能力を有する看護師です。
日本看護協会で定められた14個の専門看護分野から希望の分野を選択して、知識・技術を高めることで、資格の取得を目指します。

専門看護師(CNS)になるには?

専門看護師になるには、日本看護系大学協議会が認定した教育課程を備える大学院へ進学し、修了後、認定試験に合格することで資格を取得することができます。
順天堂大学の大学院医療看護学研究科では、慢性看護、 がん看護、 クリティカルケア看護、 感染看護、 小児看護、 老年看護、 精神看護、 母性看護、 在宅看護の9コースにおいて日本看護系大学協議会の認定を受けており、専門看護師認定試験の受験資格を取得することが可能です。

また、一定の実務経験を有する看護職者には大学院修了後、認定看護管理者認定審査の受験資格を得ることができる看護管理学分野を専攻することができるのも、医療看護学研究科の特徴です。

知識・技術を身につけて、資格を取得するために、自分に合う教育機関を選びましょう。

大学院医療看護学研究科はこちら

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看護職の進路

自分の未来がわかる!進路・就職

「看護の仕事をしたい」
将来の夢を抱いて医療看護学部で学んだその先には、医療・保健・福祉などの現場で活躍したり、看護の研究をするといった未来が待っています。医療看護学部では、学生の皆さんの進路・就職支援を全力で応援しています。
多くの先輩が「なりたい自分」を実現しています。皆さんも輝く未来の自分をみつけましょう。

なりたい自分を探してみよう

看護職の進路を考える場合、どのような職種で働くか、どの場所で働くか、さらには経験を積んでより専門的な看護を行うか、など様々な方向性があります。そこで医療看護学部で学ぶことで実現できる未来を紹介しますので、ぜひ卒業後の進路の参考にしてください。

職種から選ぶ

看護師として働く

病院や診療所など、様々な現場で医師の指示のもとに診療の補助をしたり、患者さんの生活のサポートをします。患者さんと一番身近に接することが多いので、技術だけでなく人間性も求められる職業です。

看護師になるまでの流れ

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私たち医療看護学部では

理論と実践の学習を通して、看護の基礎能力と応用能力を育てます。看護師に必要な「看護師国家試験受験資格」の取得を目指すだけでなく、統合科目として多彩なプログラムを用意しており、また医学部の教員による講義を充実させて専門性を高めるような教育をしています。

助産師として働く

妊娠中だけでなく、分娩介助から出産・産後のサポート、新生児のお世話などをします。出産前後の不安が多い母親やその家族との良いパートナーシップも求められる職業です。助産所を開設することができる点では、お産に関しては医師と同様の責任があります。

助産師になるまでの流れ

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私たち医療看護学部では

助産師課程を希望する場合は、1年次からの成績が加味され、さらに選抜試験を突破しなくてはいけません。「助産実習」で行う、一人の女性と家族に対する継続した助産ケアは、とても良い経験になるでしょう。卒業時には、「看護師国家試験受験資格」や「助産師国家試験受験資格」を取ることができます。

保健師として働く

自治体の保健所・保健センターなどで、健康増進や疾病予防に関する活動として健康相談や保健指導などを行い、乳幼児から高齢者まで、地域に住む人々が健康的な生活を送っていけるようにサポートします。また、学校や会社に勤務し、そこに集まる子どもや社員全体の健康を守る役割も果たしています。

保健師になるまでの流れ

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私たち医療看護学部では

保健師を希望する学生全員が保健師課程を選択することができます。保健師課程では、授業が1・2年次から順次始まり、4年間で地域全体の健康をマネジメントするために必要な能力を身に付けていきます。4年次には、千葉県内の保健所・保健センターでの実習を通して、管轄地域の健康問題を抽出し、地域住民への具体的な働きかけ方等を学びます。卒業時には、「看護師国家試験受験資格」に加え「保健師国家試験受験資格」を得ることができます。

病院で看護職者として働く

救命救急センターで働く

救命救急センターでは、心肺停止や意識障害、交通事故によるケガや全身熱傷(やけど)など生命の一刻を争うような患者さんの看護をします。また、救命救急センターに運ばれてきた患者さんのご家族は、突然のことで動揺している方も多く、医師からの病状の説明を聞けるような状態でない場合もあります。家族の精神的なケアも救命救急センターで働く看護師の大切な役割の一つです。

集中治療室(ICU)で働く

大きな手術を受けた後の患者さんや、病気が悪化した重症の患者さんなど、病気の内容に関わらず集中的な治療を必要とする様々な患者さんを看護します。ICUに入室している患者さんの多くは、24時間体制で管理され、血圧や呼吸などを常にモニタリングされます。そのため心電図や人工呼吸器など生命維持に大きく関係する医療機器に、常に接している状況で働くことになります。ICUで働く看護師には、看護師としての基本的な知識技術のほか、患者さんの状態変化に敏感かつ急変にもすぐに対応できることが重要になります。

手術室で働く

手術室で働く看護師は、手術を行う医師、手術を受ける患者さん双方のサポートを行う役割を担っています。手術室看護師の主な仕事内容は2つあり、手術がスムーズに行えるよう医師に手術器具を手渡すなど、主に医師のサポートを行う「器械出し」と、手術で不安の大きい患者さんの心身のケアを行い、手術室全体の流れをマネジメントする「外回り」があります。

小児病棟で働く

小児科病棟は0~15歳までの患者さんを対象にしています。子どもは自分の症状をうまく伝えることができないため、看護師には言葉や表情などの些細な変化を見逃さずに読み取る力が求められます。また、子どもの発育・発達にあわせた幅広い知識と、様々な病気に対する看護を身につけるだけでなく、子どもとそのご家族に寄り添った心身の看護やコミュニケーション能力も大切になります。

外来で働く

「外来」は、病気を持つ人、ケガをしたり健康に異常を感じた人が訪れ、診断を受け治療方針を決定する場所です。外来は病院によって様々な診療科があり、一日にたくさんの人が訪れます。生活習慣病の増加や高齢化社会の進展などの影響もあり、継続的に治療が必要となる人や、緊急処置が必要な人、入院が必要となる人など、様々な患者さんを対象に看護を行います。また患者さんが、医師の治療方針を理解し、今よりも良い状態で次の外来診察日に来院できるよう、患者さんに服薬や食事制限、運動療法などの説明、指導することも外来看護師の大切な仕事です。

病院以外の場所で看護職者として働く

在宅看護の場で働く

訪問看護師は、訪問看護ステーションや診療所、病院の在宅医療支援関連の部署に所属し、在宅療養中の患者さんを看護します。患者さんや患者さんのご家族の健康状態や生活状況をふまえ、地域の医師や福祉職等と協働しながら「住み慣れた家で安心して過ごしたい」という患者さんの希望に沿えるようにサポートしています。

自治体で働く

自治体の保健所・保健センターなどで、乳幼児健診・育児相談、生活習慣病やがんの健診、介護予防等を担当します。ご家庭を実際に訪問したり、子育てなど同じ悩みを持つ住民同士が集まって話し合える場づくりをしながら、乳幼児から高齢者まで、地域の住民がその地域でより健康的な生活を送っていけるようにサポートします。

学校で働く

いわゆる「保健室の先生」です。学校に通う児童・生徒や、教職員の健康を守るために、校内でけがをしたり具合が悪くなった人の対応をするだけでなく、健康診断やワクチン接種の準備・実施や、校内の環境整備なども行います。また、児童・生徒が自分の身体やこころを理解し、生涯にわたって健康的に生活していける力を身に付けられるように、「保健」の授業や「保健だより」などで教育的な関わりも行っています。

一般企業で働く

会社で働いている従業員の健康管理やメンタルヘルスに関わっています。また、病気やけがで入院等をして会社を休んでいた従業員が、円滑に復職できるように相談に乗ったり、部署の上司に働きかけたりもします。従業員が健康を害することなく、生き生きと働き続けられるように支援しています。

高齢者介護施設で働く

介護を必要とする高齢者が利用する施設において、健康管理や医療的な処置、生活援助を通して高齢者の暮らしを支えます。

海外で働く

広い視野を持って、世界各国で看護師として働く先輩は多くいます。私たち医療看護学部では、米国での海外研修や、学部間協定を結んでいるタイのタマサート大学での学習などにより、海外の医療施策や医療事情を知ることで、卒業後、国際的に活躍できる力を養うことができます。また、国によって看護職として働くのに必要な資格が違うので、海外での就職を希望する学生には、卒業生などの体験・経験を元にしたサポートも行っています。

高い知識や専門レベルを要求される看護職者として働く

大学職員・研究者として働く

看護、または看護者の質の向上や充実のために、教育・研究をします。私たち医療看護学部では、大学院担当教員が中心となって学部教育も担当しています。医療看護学研究科では高度な看護学の教育者・研究者の育成を目指した教育・研究を行っています。順天堂大学で大学院担当教員となるためには、原則として博士の学位を取得する必要があります。そのため、医療看護学研究科に所属するほとんどの教員は既に博士号の学位を持っています。

専門看護師として働く

専門看護師とは、特定の専門看護分野の知識と技術を高めて質の高いケアを行うだけでなく、個人や家族などの権利を守る倫理的問題の解決や、教育活動・研究活動なども行い、保健・医療・福祉における看護学の発展にも貢献できる看護職の資格です。私たち医療看護学部では、専門看護師の資格を持つ教員や指導者が看護教育を行っているため、集学的かつ専門的な看護について学ぶことができます。また、併設されている大学院医療看護学研究科には、日本看護協会で定められている13の専門看護分野のうち、9分野の専門看護師コースを設置しており、たくさんの卒業生が専門看護師として活躍しています。

認定看護師として働く

認定看護師とは、特定された21の看護分野において、熟練した看護技術と知識で、質の高い看護を提供する看護師の資格です。上記の専門看護師より細かい分野に分かれており、より臨床現場でのより実践的な役割を持っています。私たち医療看護学部では、認定看護師として活躍している卒業生や教員が臨地実習での指導や講義を行っています。そのため、最新でより実践的な看護技術を学ぶことができます。

卒業生からメッセージ

看護師の仕事って何だろう?

順天堂大学の医療看護学部を卒業した、先輩たちからのメッセージです。
実際に医療現場で働く先輩の声を参考に、将来について考えてみましょう。

地域の保健・医療・福祉に貢献する

北区役所障害福祉課 保健師(医療看護学部1回生)

東京都北区の保健師として、北区保健所保健予防課結核感染症係に勤務しています。結核、エイズ・性感染症、季節性インフルエンザや感染性胃腸炎などの感染症対策が仕事です。東京都では特に若い世代や外国人の発病が多い結核患者さんの服薬支援、病状の確認や健診を、エイズ・性感染症については匿名でのHIV検査や高校生ボランティアによる検査の普及啓発のためのグッズ作成を、インフルエンザなどの流行時期には保育園や社会福祉施設の調査・報告のまとめなどを行っています。

患者さんに困っていることや辛いことを相談され、支援できたときに、「信頼関係を築けたかな」とやりがいを感じます。3度異動しましたが、その都度勉強し、新しい知識を得ることができました。

学生時代は水泳部に所属して、医学部や他の大学との交流で出会った仲間は財産です。勉強も遊びも思う存分楽しんだ事で、人間としての幅を広げることができたと思います。 これからも保健師として、公務員として、様々な職種の方と連携し、地域の方の声に耳を傾け、より良い対応ができるよう日々精進していきたいと思います。

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自宅での療養生活を支援する

東京都内の訪問看護ステーションに勤務する訪問看護師(医療看護学部11回生)

東京都豊島区にある訪問看護ステーションホームケア目白で訪問看護師として勤務しています。

自宅で療養生活を送る高齢者や先天性疾患を持つ子どもを訪問し、自宅で安定して過ごせるよう全身状態の観察や食事・入浴のサポート、介護相談などを行っています。

学生時代からいつか訪問看護をしたいと思っていました。卒業後病棟で働く中で「自宅に帰りたい」と仰られる方が多く、自宅での生活をサポートしたいと強く思うようになりこの分野に進みました。

訪問看護では利用者様やご家族の生活を尊重しながらどう考えてどう行きたいか、気持ちに寄り添うことが大切だと感じています。人それぞれの歴史を五感で感じることができる魅力的な仕事です。訪問看護は利用者様の年齢や疾患に制限はなく、幅広い事例を経験することができます。大学時代の資料を参考にすることもあり、講義や実習で学んだ様々な分野の知識が役立っています。

今後も利用者様の生活を尊重し、ニーズに寄り添った看護が出来るよう日々精進していきたいと思います。

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附属病院で働く先輩達

附属病院で働く先輩に聞いてみよう!

順天堂大学の医療看護学部を卒業した、先輩たちからのメッセージです。
実際に医療現場で働く先輩の声を参考に、将来について考えてみましょう。

順天堂医院

順天堂医院 勤務(医療看護学部2019年卒)

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現在はどのような仕事をしていますか?

消化器内科、腎・高血圧内科の混合病棟でスタッフとして働いています。病棟の看護の特徴は、今後、透析療法を導入する患者さんの意思決定やセルフケア獲得のための支援、消化器系の化学療法を受ける患者さんの治療に対するケアなど、退院後の生活を見据えた看護実践をしています。

嬉しかったことややりがいを感じる時はどんな時ですか?

月並みではありますが、患者さんに「ありがとう」と言われることはなによりも励みになります。私は患者さんと接するときには笑顔で元気にということを心がけていますが、そうすると「いつも元気だね、こちらも元気をもらえるよ」と言ってもらえると、これからも笑顔で頑張ろうという気持ちになれます。また、私たちの病棟は繰り返し入院される患者さんも多いので、再会したときに「成長したね」と言われると頑張ってきて良かったなと思います。

医療看護学部での学びはどう生かされていますか? 

患者、疾患、治療を関連付けて考えることは、看護師として働くようになってから改めて重要だと感じました。学生のころはたくさん書く機会があってその度に苦戦しましたが、働き始めると書かなければならないということはなくなります。しかし、患者さんの症状と治療の関係を理解する上で、関連図を書くと理解が深まります。

今後どのような看護師になっていきたいと思いますか?キャリアプランなどがあれば教えてください。

順天堂医院では、点滴ルートを確保するなどの処置を行うのには、研修を受け資格を取得する必要がありますが、そのような研修に参加し、できることを増やして行きたいです。また、2.3年目からは、プリセプターという後輩をサポートする役割や、リーダートレーニングが始まるので、自分のことだけではなく、周囲にも目を配れるようにならなければと思います。そして、年数を重ねても初心を忘れず、基本を大切に、患者さんの支えになれるような看護師になっていきたいと思います。

各学部で学ぶ在学生(後輩)へメッセージをお願いします。

学生の頃に取り組んだ課題や、演習で学んだことは実際に臨床でも活用されます。課題に取り組む中で培われた物事を関連付けて考える思考力、演習で取り組むベッドメイキングや採血、吸引などの看護技術は、学生の頃に基礎で学んだことが今に活かされていると感じます。
また、附属病院に就職すると実習での経験もあるため、雰囲気を掴みやすかったり、学生から一緒に頑張ってきた仲間がたくさんいるのでお互い励まし合ったり、支え合ったりしていけることはとても強みになっています。
学生時代に学んだことや、築いた人間関係は、働き始めてからも力になります。人との関わりや学ぶ機会を大切に学生生活を過ごして下さい。

静岡病院

静岡病院 勤務(医療看護学部2013年卒・医療看護学研究科2021年卒)

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現在はどのような仕事をしていますか?

静岡病院の内科・外科の混合病棟で看護師として働いています。主な診療科は、循環器内科、血液内科、整形外科、呼吸器外科です。多科・多疾患の病棟のため疾患にとらわれず、その人らしいとは何かを病棟全体で考え、その人らしい生活となるようケアに活かしています。病棟では入退院支援のリンクナースとして、病棟全体の入退院支援の質が向上できるよう他部署のスタッフと連携しています。

嬉しかったことややりがいを感じる時はどんな時ですか?

患者様やご家族様の笑顔を見ることが出来た時です。現病が回復された時はもちろん、病気と付き合いながらも生活されている患者様やご家族様が、より生活しやすくなるための一助となれた時などは、とても達成感を感じます。

医療看護学部での学びはどう生かされていますか? 

学生時代の実習で1人の患者様のことを常に考え、看護展開していく経験はとても貴重であったと感じています。また、患者様に寄り添うことは、学生時代に習得できる最大の看護技術であると思います。現在もその技術をより高めることができるよう、日々実践しています。

今後どのような看護師になっていきたいと思いますか?キャリアプランなどがあれば教えてください。

現在、私は専門看護師の資格取得を目指し日々勉強に励んでいます。専門看護師とは、特定分野の専門的な知識をもち、高度な実践ができるなどの6つの能力をもった看護師のことを指しています。学び続け、学んだことを実践に移すことができる看護師となり、個人だけでなく周囲も巻き込んで成長できるような看護師になりたいと思っています。

各学部で学ぶ在学生(後輩)へメッセージをお願いします。

勉強だけでなく実習もあるため、心身ともに大変なこともあるかと思います。静岡病院は、静岡県東部伊豆地域の医療を担っているため、様々な疾患の方や希少な疾患の方も多く入院されます。病気や治療の知識は日々更新されるため看護師になってからも学習していくことが求められます。今の学びを大切にしつつ、これからも当院で一緒に学んでいきましょう。一緒に働ける日を心から楽しみにしています。

浦安病院

浦安病院 勤務(医療看護学部2009年卒)

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現在はどのような仕事をしていますか?

現在、私は6D病棟で主任看護師として働かせていただいています。6D病棟は、脳神経内科・皮膚科・眼科・耳鼻咽喉科・呼吸器外科の混合病棟で、周手術期の看護から慢性疾患看護まで多岐にわたる患者さんのケアにあたっています。主任看護師として患者さんがより良く生きることが出来るよう、患者さんに安心感を与えられるような看護を提供することはもちろんのこと、師長の補佐としてより良い病棟になるようスタッフの個々を把握した人材育成にも力を入れています。

嬉しかったことややりがいを感じる時はどんな時ですか?

患者さんから「あなたがいてくれてよかった。安心して入院生活を送ることが出来ました。」と言っていただいた時は、辛い療養生活の中でも自分自身の看護が患者さんにとって力になることが出来ていたと感じ、とても喜びを感じます。また、後輩看護師を指導していくなかで、 スタッフ達がいきいきと働いている姿を見ることも、主任看護師として働いていくやりがいに繋がっています。

医療看護学部での学びはどう生かされていますか? 

医療看護学部に在学していた時の学びは現在の看護全ての基礎となっています。知識や技術面での学びはもちろんのこと、日々「仁」の精神に基づき、安全・安心な看護を実践できるよう努めています。看護師の心温まる看護は、辛い療養生活を乗り越えるために必要な一つの力になることを、これまで出会ってきた患者さん達に教えていただきました。

今後どのような看護師になっていきたいと思いますか?キャリアプランなどがあれば教えてください。

私は、摂食嚥下障害看護学内認定を習得し、生きていく上で欠かすことのできない「食べる」行為をサポートできるよう、日々患者さんの看護にあたっています。学内認定で学んだ知識をさらに深め、患者さんに還元していけるよう、今後はNST専門療法士や摂食嚥下障害看護認定看護師の習得を目標にしています。

各学部で学ぶ在学生(後輩)へメッセージをお願いします。

コロナ禍で思うように学習や実習が行えず辛いこともあると思いますが、こんなご時世だからこそ学べることもあるかと思います。かけがえのない大学時代の4年間を大切な仲間と共に学び、そして看護の楽しさや、やりがいを感じてくれたら嬉しいです。就職してからは、そんな皆さんを私達は全力でサポートしますので安心してください。皆さんと一緒に働ける日を楽しみにしています。

越谷病院

越谷病院 勤務(医療看護学部2015年卒)

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現在はどのような仕事をしていますか?

越谷病院に勤めて7年になります。開放病棟で4年、閉鎖病棟で3年勤務をしています。入院病床はメンタルクリニック単科であり、うつ病・双極性障害・統合失調症・摂食障害・認知症等様々な疾患を抱えている方が入院をしています。同じ疾患名であっても症状は多種多様であり、生活のしづらさや困難感・悩みは患者様のこれまでの人生背景や価値観、周囲との関係性によっても大きく異なっており看護の奥深さを日々感じています。どの科でも重要ではあると思いますが、精神科において患者様の安全を守り安心して治療に集中できる環境を整えていくこと・治療を継続していくこと・社会資源の活用は重要です。そのため看護師間だけでなく、医師・薬剤師・精神保健福祉士・作業療法士等と患者様の治療状況や方向性を共有し患者を中心に、同じ目的に向かって進むことができるよう多職種連携を心がけています。また昨年度より看護学生の実習の指導者として指導係を担当しており、学生と関わる機会が増えています。

嬉しかったことややりがいを感じる時はどんな時ですか?

嬉しい・やりがいを感じる時は、患者様の症状が改善していく過程を支えることもありますが、患者様が入院するということを苦痛・辛かった経験としてだけで終えるのではなく、入院のきっかけは様々ではありますが入院したことで、これからの人生の糧になる必要な対処方法や人とのつながり・知識を得て退院されていく時です。入院時、患者様にとって人生の中で辛く苦しい状況であることが多いため、焦らずに安心して治療に参加できるよう寄り添う姿勢を意識して関わっています。患者様の歩幅は多様性があって良いと考えています。退院時、その人らしい歩幅とペースで一歩ずつ前に進んでいく姿をみる時にやりがいと感じます。また、入院されていた患者様を外来の際に見かけた時やお話ができた時にも嬉しさを感じます。精神科において治療を継続していくことは重要であるため、外来に通い治療を継続し、「○○をしています」等近況を穏やかな様子で話し、生活の場へ戻って頑張られている姿を見ると嬉しくなります。

医療看護学部での学びはどう生かされていますか? 

大学時代、友人達と協力しながら一生懸命実習に取り組み、日々授業に参加し、頑張って学んだ日々は今でも思い出します。授業や実習での学びは、仕事で患者様を看護するときに"あの実習で勉強した○○。"と学習のきっかけを与えてくれます。順天堂大学は実習環境・体制が充実していることが強みであると思います。大学時代の勉強は看護師をしていく上での大事な基盤となり、患者様に対する姿勢はもちろん、実習や試験・国家試験勉強で使用した参考書や自分のまとめは今も引っ張り出して使うことがあります。実習での出来事は今でも鮮明に思い出すことができるぐらい充実した大学生活であったと思います。

今後どのような看護師になっていきたいと思いますか?キャリアプランなどがあれば教えてください。

私は新卒で越谷病院に就職し精神科看護を学び7年目になります。今年度は管理という視点を持ち、より責任感を意識しながら専門知識と技術の向上を図っていきたいと考えています。また7年目になり精神科看護にこれからも携わっていきたいと考えていますが、具体的なキャリアプランについては模索中です。自分自身が精神科看護においてより深めていきたいことは何か・興味関心がある部分について考えながら日々看護をしています。

各学部で学ぶ在学生(後輩)へメッセージをお願いします。

精神科看護師として新卒から越谷病院に勤めていますが、実習指導をして看護学生さんと関わる中でよく受ける質問は、新卒で精神科に勤めることへの不安です。精神科は年齢層も幅広く、身体合併症を持った患者様も多くいらっしゃいます。苦痛を言語化して表出することが難しい方、つらい気持ちを周囲に相談することが苦手であったり抱え込んでしまう方も多く、精神科知識だけでなく内科的知識を併せてアセスメントしていく力が重要になります。当病院には精神科のスペシャリストだけでなく他科経験を持つ看護師が多いため、日々学ぶ姿勢を持つことで着実に成長していけると思います。精神科は奥深く、患者の人生に寄り添うことのできる分野です。ロールモデルとなる先輩看護師がたくさんおり働きやすい職場環境であります。新型コロナウイルスの影響で不安も多いと思いますが、看護師・精神科看護師はとてもやりがいがあります。看護師になる過程・なってからの過程で頑張らなくてはいけない部分も多いですが、看護師になって思うことはいろいろな働き方やキャリアプランがあり多様性があって良いということです。皆さんなりの看護師像に向かって前に進んでいって欲しいです。

東京江東高齢者医療センター

東京江東高齢者医療センター勤務(医療看護学部2011年卒)

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現在はどのような仕事をしていますか?

呼吸器内科・外科、腎臓病内科、膠原病内科の混合病棟で働いています。高齢者病院なので、100歳を超える方のケアをすることもあります。疾患は肺炎や腎不全、昨年からはCOVID-19の方も受け入れています。その中で、日常生活ケアをはじめ、治療への精神的なサポートや退院調整、がん患者さんに限らず非がん患者さんの緩和ケアなど、終末期ケアもしています。

嬉しかったことややりがいを感じる時はどんな時ですか?

患者さんやご家族の方から「ありがとう」と言われるのはとても嬉しいです。他には、主に内科の患者さんが多いので劇的に良くなることは少ないですが、患者さんの苦痛そうな表情が徐々に改善していく様子や笑顔が見られると看護師としてのやりがいを感じます。

医療看護学部での学びはどう生かされていますか? 

私は学生時代、学内活動としては、部活動、海外研修及び夏山診療所、学外活動としては、アルバイト、ボランティアなど様々な活動に参加してきました。その中で、年齢や性別、環境、国籍という垣根を超えて、様々な人の思いや考えを学びました。その経験が患者さんの思いや考えを受容し、寄り添ったケアに生かしていくことに繋がっていると感じます。

今後どのような看護師になっていきたいと思いますか?キャリアプランなどがあれば教えてください。

患者さんがその人らしく生活し最期を迎えられるように、患者さんやご家族を支えていける看護師になりたいと思っています。そのために、研修や学会へ参加し新しい知識・看護を取り入れるようにしています。それらを同僚や後輩と共有し、看護の質を向上させていきたいと考えています。

各学部で学ぶ在学生(後輩)へメッセージをお願いします。

学校で学んでいることは今後の仕事をする上での基礎になるのでしっかりと勉学に励みましょう。その上で、学生時代に経験したことは今後の仕事や人生において、とても貴重な経験となります。大変な思いをしてでも、学生時代に様々な人と関わり、幅広い経験を重ねておくことをお勧めします。そして、その経験を踏まえて自分の考えや思いをしっかり持って行動できる人になってください。一緒にお仕事できることを楽しみしています。

練馬病院

練馬病院 勤務(医療看護学部2009年卒)

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現在はどのような仕事をしていますか?

成人病棟を経て、2年前より小児病棟で働いています。練馬病院では2021年度より小児病棟と小児外来が統合しました。外来業務担当の一員として外来看護に携わることが多いです。
またPFM活性化の一環として、外来での入院前面談・病棟での退院支援に力を入れています。
子育てしながらの勤務なので、ご助力いただき時差出勤・短時間勤務で働いています。

嬉しかったことややりがいを感じる時はどんな時ですか?

子どもの力を引き出すことができた時に、やりがいや嬉しさを感じます。関わりにより、緊急入院で泣きじゃくっていた子が「がんばってなおす」と頑張りの姿勢を見せた時、小学校入学したてのⅠ型糖尿病の子が円滑に学校生活へと移行できた時、などが印象に残っています。声掛けや環境整備、多職種連携など方法は様々ですが、少しの配慮で子どもの権利が守られ、力を引き出すことができると考えます。

医療看護学部での学びはどう生かされていますか? 

看護研究の講義を選択したことで、看護実践の評価や質の向上に対する思考プロセスが鍛えられました。評価や質を考える工程は自分自身の学びにもなりますし、職場全体を見渡す力や改善点の気付きにもつながります。結果、患者さんや家族により良い環境を提供できることにつながるので、学ぶことができて良かったと思っています。

今後どのような看護師になっていきたいと思いますか?キャリアプランなどがあれば教えてください。

子どもの権利を守りながら、子どもとその家族に寄り添っていきたいです。入院期間が短い中、入院前から退院後までを円滑に支援できるような体制づくりに携わり、少しでも子どもとその家族が安心して療養できる場の提供を行いたいと思います。学ぶ姿勢を忘れず、自己研鑽しながら知識や技術を養っていきたいです。

各学部で学ぶ在学生(後輩)へメッセージをお願いします。

いろんなことに挑戦し目の前のチャンスを活かしてください。どんな状況においても、とらえ方次第で自分自身の成長につながります。うまくいっている時もそうでないと感じる時も、次の行動へ移すための原動力とできれば良いと思います。悩むこともあると思いますが、仲間がいることを忘れずに1つ1つ向き合っていってください。応援しています。