2022年度 大学院教育要項
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順天堂大学大学院医療看護学研究科の趣旨 順天堂大学は、学祖佐藤泰然が1838年(天保9年)に江戸薬研堀にオランダ医学塾を開設し、日本最古の西洋医学塾として始まった。順天堂大学は、大学院医学研究科(修士課程・博士課程)、スポーツ健康科学研究科(博士前期課程・後期課程)、医療看護学研究科(博士前期課程・後期課程)、学部として医学部および6附属病院、スポーツ健康科学部、医療看護学部、保健看護学部、国際教養学部、保健医療学部から構成されている。本学は他者を思い、慈しむ心「仁」を学是とし、わが国有数の「健康総合大学」として、人々の健康の維持・増進・回復に寄与するとともに、自らも常に健康を意識し、健康を維持・増進できる医療人や健康維持管理・健康予防に携わる者、スポーツ教育者を育成することを目的として発展してきた。 1. 順天堂における看護教育の沿革 順天堂における看護教育は、明治29年、順天堂医院における看護婦養成をもって始まり、平成8年には、看護教育100周年を迎え、すでに1世紀を越える歴史と伝統をもっている。これまでに、七千数百人に及ぶ看護職者を養成し、世に送り出してきた。卒業生は、看護職者として医療機関をはじめとするさまざまな分野において「仁」の精神を理念として、質の高い保健・医療サービスを提供してきた。さらに順天堂の卒業生は常に“患者中心”を信条に、患者のもつ自然治癒力を支える『身心を癒す看護』を実践し、順天堂の歴史と伝統を培ってきた。 平成16年4月、順天堂医療短期大学を改組して、順天堂大学医療看護学部を開設し、看護教育の4年制化を図った。平成19年4月には、大学院医療看護学研究科を開設し、看護の専門分野における指導的役割を果たす人材の育成を図ってきた。そして平成26年4月、看護学を探求できる能力を有し、研究成果に基づいた質の高い医療・看護を人々に提供できる判断力と実践能力を身に付けた看護専門職者の教育を行うための教育者・研究者及び科学的視点を持った高度実践看護職者を育成するため、博士後期課程を開設した。 2. 医療看護学研究科の教育理念 我が国は、他の国に見られないスピードで少子高齢社会が進み、医療をめぐる環境はめまぐるしく変化している。超高齢社会を迎えた現在では、国民の健康に対する関心が高まると同時に、さまざまなライフステージにおいて何らかの疾患や障害を持ちながら生活する人々が増加している。また、近年の医療技術の進歩は医療現場や在宅ケアの高度化・多様化・複雑化をもたらしている。このような状況を背景に保健・医療・福祉の分野における統合が進むとともに、わが国の施策は予防的視点を重視する方向に転換されつつある。 人々にとって「健康であること」は共通の願いであるが、個々の生活の質に対する価値観は多様化している。こうした社会的ニーズの変化に対応するには、一人ひとりが尊厳を持って人生を送ることができる権利や価値観を尊重し、幸福追求と生活の質(Quality of Life:QOL)を確保する支援が必要である。そのためには、個人と集団の健康のニーズを的確に把握し、それぞれに必要な情報、教育、管理、技術という適切なサービスを提供することが求められる。看護職者がその職務を遂行するには、科学的根拠に基づいた的確な判断力と柔軟性のある応用力や調整力を備え高度な看護専門職者が必要とされる。 本研究科では、「仁」の精神を教育研究の理念とし、幸福と質の高い生活に必要な「健康」の概念を基盤に多様な価値観を持ち、さまざまな健康レベルの人々の幸福追求とQOLの向上を支援することのできる高度な実践能力をもつ看護職者、および、看護学のあり方を探求する教育者・研究者の養成を図る。また、看護職者のキャリア発達を支援し、国内外を問わず多様な場で社会貢献できる看護職者の育成を目指す。 - 3 -

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