医療看護研究会誌 第12巻1号
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順天堂大学医療看護学部 医療看護研究 第12巻1号(2015)13特徴の検討が、探求方法や視点を定め、その方法によって見出されたデータが、分析の視点を定め、その切り口からの分析が、事象の成り立ちの記述を可能にしていた。これらは、事象がそれを探究する方法を強いてくることを意味している。だが、この時同時に、研究者である私たちのものの見方や前提も問われていることを確認したい。これを自覚し、棚上げして、事象そのものへと立ち帰ることが、現象学的研究の重要な点であり、その結果、これまで気づいていなかったことを発見できることが醍醐味であろう。注 本稿で紹介した研究は、科学研究費補助金基盤研究(C)(課題番号:19592411)の助成を受けて行った。本研究は、著者が所属していた施設内倫理委員会にて審査を受け、承認されている。引用文献1)榊原哲也:現象学的看護研究とその方法─新たな研究の可能性に向けて, 看護研究, 44(1), 5-16, 2011. 2)松葉祥一, 西村ユミ(編):現象学的看護研究─理論と分析の実際, 医学書院, 2014. 3)西村ユミ:「音」の経験と看護実践の編成, 現象学年報, 28, 1-11, 2012. 4)藤内美保, 宮腰由紀子:看護師の臨床判断に関する文献的研究─臨床判断の要素および熟練度の特徴, 日本職業・災害医学会会誌, 53(4), 213-219, 2005. 5)藤内美保, 宮腰由紀子, 安東和代:新人看護師の臨床判断プロセスの概念化─健康歴聴取場面におけるケア決定までの判断, 日本看護研究学会雑誌, 31(5), 29-37, 2008. 6)阿保順子(2009)看護における“言葉にならない技術”論─技術と判断について, インターナショナルナーシングレビュー, 32(4), 33-36, 2009. 7)ベナー,P. &ルーベル,J. (著), 難波卓志訳:現象学的人間論と看護, 医学書院, 1999. 8)池川清子:看護における実践知─為すことに含まれる知の意味, インターナショナルナーシングレビュー, 32(4), 14-18, 2009. 9)西村ユミ:看護師たちの現象学─協働実践の現場から, 青土社, 2014. 10)西村ユミ:看護ケアの実践知─「うまくできない」実践の語りが示すもの, 看護研究, 44(1), 49-62, 201111)メルロ=ポンティ, M(著), 竹内芳郎・小木貞孝(訳):知覚の現象学1, みすず書房, 1967. 12)メルロ=ポンティ, M(著), 竹内芳郎・木田元・宮本忠雄(訳):知覚の現象学2, みすず書房, 1974. 13)西村ユミ:語りかける身体─看護ケアの現象学, ゆみる出版, 2001.

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