医療看護研究会誌 第12巻1号
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順天堂大学医療看護学部 医療看護研究 第12巻1号(2015)17先行研究20) 21)を元に介入前のデータ測定を行う15分前より臥床をとることとし、対象者の介入前の状態を安静時として統一させた。血圧測定はアネロイド式血圧計を、心拍数の測定には1分間実測にて測定を行った。(3) 介入前の唾液アミラーゼ、血圧、心拍数、POMSの値を測定後、ベッドにて坐位または安楽な姿勢を取ってもらい、該当する群の介入を実施する。EM群及びM群のMテクニックⓇの方法は、表1の手順とする。尚、C群は入院や手術に対する疑問や想いをうかがい、可能な範囲で回答をする。対象者には時間で区切る旨を開始時に口頭で説明を行う。15分以上の会話の内容になりそうな場合には、15分で一度区切り、必要があれば測定終了後に再度訪室し、話をうかがう。(4) 終了後の唾液アミラーゼ、血圧、心拍数、POMSを測定し終了とする。3)使用したキャリアオイル及びエッセンシャルオイル EM群及びM群はそれぞれキャリアオイルとしてすべての肌質に合い、浸透性がよく扱いやすい5)22)とされるホホバオイル:(学名:Simmondsiachinesis、産出地:アメリカ、発売元:ハイパープランツ社)を使用した。また、EM群に使用するエッセンシャルオイルは、現在日本に輸入される天然香料の約8割を占めるシトラス(カンキツ)系23)の中から、緊張やストレス解消、リフレッシュ効果がある24)と言われ、万人より好まれる25)とされるオレンジスイート:(学名:Citrus sinensis、産出地:エジプト他、発売元:ハイパープランツ社)を使用する。尚、一般にスイートオレンジと言われているが、本研究で使用した商品名がオレンジスイートであったため、以下引用文献以外では、オレンジスイートとする。4)質問紙調査 POMS:McNairらにより米国で開発されたもので、「緊張−不安(Tention−Anxiety)」、「抑うつ−落込み(Depression−Dejection)」、「怒り−敵意(Anger−Hostility)」、「活気(Vigor)」、「疲労(Fatigue)」、「混乱(Confusion)」の6つの気分尺度を同時に測定できる。通常過去1週間の気分を調査するが、条件により変化する一時的な気分・感情の状態を測定できるという特徴を有している25)26)ことから、本研究では、介入前には1週間~介入前の感情を、介入後にはその時の感情をそれぞれ回答していただいた。5)唾液分析 ストレス負荷とα−アミラーゼ(以下、唾液アミラーゼとする)活性は相関が検証されている26)27)。また応答時間が1~数分と短く、ホルモン作用に比べて格段にレスポンスが速いとされている28)。この特徴を生かし、本研究では介入前後の生理的指標の一つとして唾液アミラーゼを用いることとした。尚、今回の測定に関してはニプロ社製ココロメーターを使用した。ココロメーターでは、専用のチップを30秒ほどくわえ、唾液を吸収させることで値を測定する。4.分析方法1)本研究対象者の疾患名、基本属性として、年齢、結婚の有無、子供の有無、術前のホルモン療法の有無、アレルギーの有無について全体に占める割合を算出し、年齢に関して平均値の算出を行った。2)介入前のEM群、M群、C群の対象者の年齢、結婚の有無、児の有無、術前のホルモン療法の有無、唾液アミラーゼ、血圧、心拍数、POMSの各項目を比較し、均一性の確認を行った。3)「唾液アミラーゼ」について介入前後でEM群において有意な低下が見られると仮定し、各群の介入前、介入後の値を一元配置分散分析で、介入前後の差について、Tukeyの多重比較を行った。また、ニプロ社ではストレスの度合いを、唾液アミラーゼ値0~30kU/Lを「なし」、31~45kU/Lを「軽度」、46~60kU/Lを「中等度」、61kU/Lを「高度」と設定している29)。この指標を用いて唾液アミラーゼの増減傾向についてχ2検定を行った。4) 「血圧」「心拍数」について介入前後でEM群において有意な低下がみられると仮定し、各群の介入前、介入後について一元配置分散分析で、介入前後の差についてTukeyの多重比較を行った。5)「POMS」の各項目について、「緊張−不安」「抑うつ−落込み」「怒り−敵意」「混乱」「疲労(Fatigue)」では介入前後で有意な低下が、「活気(Vigor)」については介入前後で有意な上昇がみられると仮定し、クラスカル・ウォリスの検定による多重比較を行った。 以上の統計処理にはIBM SPSS Statistics Version20を使用し、有意水準は5%とした。5.倫理的配慮 本研究は医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP:

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