医療看護研究会誌 第12巻1号
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順天堂大学医療看護学部 医療看護研究 第12巻1号(2015)49て行っている演習20項目を『習得できていると思う』から『習得できていない』の4段階とし、3期における習得度合いを学生が自己評価した。分析はSPSS Ver.22を使用した。【倫理的配慮】本研究は所属する大学の研究等倫理委員会の承諾を得て実施した。【結果】質問紙の配布数は、今年度87名(昨年度108名)であり、回収率は今年度(昨年度)演習開始前75%(95%)、演習終了後67%(99%)、実習終了後49%(99%)であった。20項目中演習後と実習後で学生の技術習得の認識が有意に上がっていた項目は、昨年度は7項目に対し今年度は11項目に増えた。また、有意に下がった項目は、昨年度4項目から今年度は3項目に減った。【考察】昨年度と比較して今年度に技術習得の認識が上がった項目が増えた理由は、カリキュラムの変更により昨年度は小児看護方法論の講義後、実習開始までの間に半年以上間隔があったのに対し、今年度は2~3ヵ月後であったことが関連している可能性がある。即ち授業から実習までの間隔が短いことから授業の学びを想起し易い環境の中で演習を行ったこと、加えて関わる教員数の増加などにより効果的な演習を行うことができ、実習中の技術習得への動機づけ、自己評価の向上へと繋がったと考える。テーマ:新任看護師教育におけるシャドーイング演習の効果の検討発表者:○中谷 若菜*2、古村 沙織、平田 理絵、高橋 友子、小澤 直子【目的】新任看護師が、倫理観を育みながら救急看護師として成長するための教育方法としてのシャドーイング演習の効果を検討する。【対象】平成24年度〜26年度に救急PCセンターに入職した新任看護師13名(既卒看護師2名を含む)【方法】4月・5月・10月にシャドーイング演習を実施。演習終了後に指導者・新任看護師に対しアンケートを実施した。【結果】アンケートの結果より、ロールモデルとなる看護師とともに軽症から重症の患者に関わる事で、多くの看護技術の見学・実践の機会を得ていた。また、救急患者の特殊性や危機状況にある家族を理解し看護する重要性や、亡くなった方への配慮など看護師として重要な場面を体験していた。また、チーム医療におけるコミュニケーションスキルやスタッフと協働しケアを行なう事も学んでいた。【考察】シャドーイング演習は、新任看護師が看護観・倫理的感受性を養いながら、看護を実践するための基礎的能力が習得できる演習方法であると考えられる。また、ロールモデルとなる看護師と看護を体感することにより、基礎教育で学んだ知識を具現化することができる演習であった。シャドーイング演習の成功はロールモデルにかかっており、効果的に行うためにはロールモデルとなる看護師の育成が必要である。【結論】シャドーイング演習は、新任看護師が看護観・倫理的感受性・コミュニケーションスキルを養うことができる教育方法として効果が期待できる。テーマ:少子・晩婚化社会に向けたプレコンセプショナルケアへの看護系大学の取り組み発表者:○髙橋 眞理*1、増田美恵子、青柳 優子、高島えり子、植竹 貴子、大田 康江、…鈴木 紀子、藤本 薫、 日置智華子、…湯本 敦子、佐々木裕子 晩婚・少子化が深刻化している今日、新たな概念…「プレコンセプショナルケア(妊娠前ケア)」の必要が急がれる。看護系大学の教育の立場からは、思春期健康教育の一環として、地域の中高校生を対象とした様々な取り組みが予想されるが、その実際は明らかにされていない。〈目的〉わが国看護系大学におけるプレコンセプショナルケアに関する教育の実際を調査し、少子・晩婚化社会の歯止めに向けた看護職人材養成につながる教育の在り方についての提言をまとめることである。〈方法〉全国看護系大学の①ホームページ上に公開されているシラバス内容の読み取り調査、②先進的な試みを実施している大学への聞き取り調査(事例)を行った。シラバスデータは、Word Miner(ver.1.5)を用い、定量的、定性的に分析した。なお、順天堂大学医療看護学部研究等倫理委員会の承認を得て実施した。〈結果〉全国235看護系大学中、シラバス上から具体的な科目内容のデータが得られた100大学を分析の対象とした。その結果、新概念「プレコンセプショナルケア」のKey Wordは抽出されなかった。母性看護学関連の教育内容は、リプロダクティブヘルスや女性のライフサイクル等において、思春期の健康障害、不妊、人工妊娠中絶、性感染症などの健康問題への支援が主であり、今後は「よい妊娠選択」へのパラダイムシフトの視点も必要であることが示唆された。また、幼児

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