医療看護研究会誌 第12巻1号
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第11回 医療看護研究会発表要旨54全国平均を下回っている現状がある。【研究目的】地方都市であるT県において、訪問看護を受けつつ看取りを経験した家族が訪問看護師の役割をどのように認識していたのか実態を把握することである。【研究方法】地方都市T県において、訪問看護師が関わりつつ在宅で看取りをしたことのある家族を対象に半構造化面接調査を行い質的帰納的に分析する。【調査期間】平成26年11月~12月【結果】9名の家族から同意が得られ、在宅での看取りにおける訪問看護師の役割について、6つのカテゴリー(療養上のケア、慣れないことへの不安への対応、経済的配慮、今後の見通し(心構え)への支援、患者への丁寧な対応、家族への配慮等)が明らかになった。テーマ:地域施設における知的障害を伴わない青年期・成人期発達障害者への支援内容と課題の分析発表者:小谷野康子、〇渡辺 浩美(群馬パース大学保健科学部)、山科 満【目的】地域の障害者支援施設における知的障害を伴わない青年期・成人期の発達障害者支援の取り組みと、発達障害者に関わる援助者への支援についての実態と課題を明らかにすることを目的とした。【方法】WAM NETから抽出した関東圏内の障害者支援施設524ヶ所へ自記式質問紙調査を郵送法にて実施した。調査内容は基本属性、支援内容と困難場面、今後のニーズ等とした。【結果】回収された質問紙103部(19.7%)を分析対象とした。発達障害者の支援経験のあるスタッフは95.1%で66.0%が精神保健福祉士であった。研修に参加した経験のある者は87.4%と高く、スタッフの87.3%には相談できる支援者がいたが、発達障害者に対する支援に困難を感じていた(92.0%)。その内容は対象の行動特性(53.0%)、メンバー間の調整(30.0%)、支援展開(23.0%)、家族・職場の対応(16.0%)の順に多かった。スタッフの95.1%はスタッフ支援の必要性を感じており、今後、地域において発達障害者の支援相談が増加すると予測していた。【考察】地域施設で発達障害者を援助するスタッフは困ったときに相談できる支援者をもち、意欲的に研修に参加しながらも、困難感を抱えている現状がある。知的障害を伴わない青年期・成人期発達障害者の増加が予測される地域施設において、スタッフの発達障害理解と具体的な支援を促進する取組が必要と考えられた。テーマ:病棟看護師に求められる退院支援の役割-退院支援調整部署における研修を通して-発表者:○松尾 絵美*5、池田さやか、小原 倫子 長寿化が進み、独居高齢者、虚弱な長寿高齢者の増加が見込まれる中、できる限り住み慣れた地域で高齢者が暮らし続けることを目指した社会の構築が望まれている。医療においても病院完結型から地域完結型の医療が求められており、病院看護師も退院先の療養生活を視野に入れた看護展開が必要となっている。また、高齢者の退院支援・調整の特徴として、主介護者の高齢化による介護力不足、理解力低下、家族、医療者の意見が優先される傾向、独居高齢者の生活の継続を支える人の調整と連携、認知症高齢者の意思決定などがある。そこで、今年度から当院では病棟看護師が、退院調整部署(以下、相談室)で3ヶ月の間退院支援・調整等を実践する研修を開始した。そこで病棟看護師に求められる退院支援・調整の役割が明確になることで、病院全体の退院支援・調整の質向上につながるのではないかと考えた。 今回、相談室看護師との同行実習、実際の退院支援・調整、地域包括支援センターへの実地研修を行い、その中から、スムーズな退院支援・調整を行うために病棟看護師に必要なことは、以下であった。・地域との連携、支援体制や制度に関する知識の習得。・退院後の療養生活をイメージし、情報の整理やアセスメント。・日常的に家族と積極的に交流する。・家族、本人の現状に対する理解度と思いを確認し、意思決定を支援する。・地域や相談室とタイミングをとりながら連携を図るテーマ:退院前合同カンファレンスに関する患者家族の受容のプロセス- 在宅療養での看取りを経験する家族を対象として -発表者:○原田 静香*1、宮本千恵美、柴崎 美紀、中山 久子、岡本美代子【研究の背景】 国は住み慣れた地域で医療や介護、生活支援を受けられる地域包括ケアシステムの確立を目指し、医療介護サービス体系への構築を重要課題としている。そのため診療・介護報酬改定では、地域連携を推し進める、退院前合同カンファレンス(以下、合同カンファレンス)実施について、報酬を加算する評価が行われた。合同カンファレンスは、多職種による地域連携の推進と、患者家族の不安軽減等が本来の

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