医療看護研究会誌 第12巻1号
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順天堂大学医療看護学部 医療看護研究 第12巻1号(2015)55目的である。しかし医療者主導で行われるのが現状であり、患者家族は受け身となる傾向にある。先行研究では患者家族の視点に基づく有効性の検証がなされていない。そこで、本研究においては在宅での看取りの可能性をも視野に入れた患者の家族にとって、合同カンファレンスの実施が、在宅療養への思いや理解の変化、受容にどのように作用しているのかを明らかにする。【研究方法】在宅での看取りを検討し、合同カンファレンス後に退院した患者家族9例を対象とした。半構成的面接調査法、参加観察法により合同カンファレンス前、実施中、後の時点で調査を実施した。分析はGrounded Theory Approach法を用いた。【結果・考察】合同カンファレンスの認識として「死を近くに認識する場」「連携と確認の場」「確認により得る安堵感」「会議の趣旨と実際とのギャップ」の4つのカテゴリが得られた。合同カンファレンスの実施により、対象者は死が近いことを認識した上で、在宅での看取りを行うために、安心感を獲得する場となっていることが分かった。テーマ:外来通院中の再発乳がん患者が自分らしく生きることを支援する看護援助発表者:○宮津 珠恵*1、岡本 明美、三好 裕子 再発乳がん患者は終末期までADLが保たれるケースが多く、再発しても外来での治療を続けながら長期に生存する者も多い。再発乳がん患者は、病気の進行に対する不安や死を意識する辛さ、症状コントロールや治療変更、医師との関係性の問題や治療に関わる経済的問題などに直面しやすい。乳がん患者は患者同士でお互いの体験や情報を共有することで自分らしく生きるための力を得ようとする特色があるが、再発乳がん患者では9割以上の患者が個別相談を求めているといわれ、個々の状況に応じた情報提供や、生きる意味を見出すための個別の支援を求めている。再発乳がん患者は死を意識することや不確かさの感覚が増し、楽しみや生きる意味が減少するという困難を抱えており、主観的なQOLを回復するために自己の内的基準や価値観を変化させて対処していることが明らかになっている。しかし、再発・転移により外来で治療を受ける乳がん患者の日常生活上の対処や思いを明らかにした研究はまだ少ない。 本研究の目的は、再発乳がん患者が療養生活の中で自分らしく生きることをサポートするために、再発乳がん患者の療養上の生活への対処と思いを明らかにし、患者のエンパワーメントを促進する看護援助を検討することである。現在、研究対象を募集している段階であるため、研究計画と今後の予定を報告する。テーマ:外来通院中の閉塞性動脈硬化症患者のセルフケア行動と関連要因発表者:○高谷真由美*1、北村幸恵、中里祐二、柳沼憲志、阿久澤優香、樋野恵子〈目的〉大学病院の循環器内科外来に通院する閉塞性動脈硬化症(以下ASOとする)患者を対象にセルフケア行動の実態とその関連要因を明らかにし、患者が必要としているセルフケア指導の内容や方法を検討する基礎資料とする。〈方法〉1)ASO患者のセルフケアと関連要因の実態を調査するための質問紙の作成:①ASO患者のセルフケアに関する文献検討を行い、必要なセルフケア項目と関連要因を抽出した。②循環器外来に通院しているASO患者および入院中の患者のASOに関する診断時の反応や症状に関する反応などを共同研究者間で出し合い、質問紙項目の追加、修正を行った。2)大学病院の循環器内科外来に通院し、ASOまたはその疑いがあると診断されている患者約150名を対象とし、質問紙調査を行う。研究者らが作成した無記名の自記式質問紙を研究協力を得られた外来診察終了後の患者に配布し、郵送で回収する。分析は統計学的に行い、質問項目ごとの記述統計とセルフケア行動の実施状況と背景要因、関連要因についてχ2検定で関連を検討する。〈結果〉1)質問紙は、背景要因、セルフケア行動12項目、Fontaine分類による自覚症状、指導経験、情報入手手段、ソーシャルサポート、Michelの不確かさ尺度(MUIS-C日本語版)、精神健康度尺度等で構成し作成した。2)質問紙調査は対象施設の倫理委員会の承認が得られ次第実施する予定である。テーマ:外来通院患者に対する在宅療養支援の現状と課題に関する文献検討発表者:○藁谷 藍子*1【目的】外来通院患者に対する在宅療養支援活動について報告されている文献を検討し、在宅療養支援の現状を把握する。【方法】〈外来〉〈在宅療養支援〉をキーワードに、医

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