医療看護研究会誌 第12巻1号
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第11回 医療看護研究会発表要旨58れらのカテゴリーは、母親の児への愛着形成を促進する看護者の関わりモデルとして図式化された。結論:看護者と母親の二者関係を基盤とし、看護者と母児の三者関係に発展する関わりモデルが図式化された。索引用語:産褥早期、母子相互作用、愛着、看護者のサポートKey Words: early postnatal period, mother-infant interaction, attachment, nurse’s supportテーマ:緩和ケア病棟で実施する自施設評価の有用性の検討発表者:○大園 康文*1、伊藤 隆子はじめに:緩和ケア病棟を設置する医療機関の数は増えているものの、その質の確保に向けた臨床評価に関する取り組みはまだ十分な成果を上げていない。今回、全国の緩和ケア病棟263施設を対象として、臨床評価プログラムである『自施設評価』を実施した際の、自由記載について分析した結果を報告する。目的:本研究では、評価を実施した医療職からの『自施設評価』に対する意見を基に、『自施設評価』の有用性について検討することを目的としている。方法:自施設評価票に対する意見及び『自施設評価』の総合的な意見についてデータセットを作成し、テキスト分析を行った。テキスト分析では定性的評価を採用し、全ての記載をポジティブな表現とネガティブな表現に分類し、項目ごとの傾向を検討した。結果:自施設評価票へのネガティブな意見としては、外来のスペースや人間関係といった物理的人的環境に対する項目についての記載が最も多かった。『自施設評価』への総合的な意見としては「自施設が提供するケアの質をさらに向上させる必要がある」「カンファレンスなどを行うことによって提供するケアの振り返りができる」などのポジティブな記載が多かった。考察:臨床評価プログラムとしての『自施設評価』は、提供するケアの振り返りとカンファレンスの必要性を再認識するという意味で有用であることが示唆された。自施設評価票は、答えにくい項目があったため修正する必要がある。テーマ:若手看護師が患者に対して行う共感的関わりの特徴の探索発表者:阿部 美香、○上野 恭子*1、山口 聖子、小竹久実子、熊谷たまき【目的】一般病棟で働く20歳代前半の若手看護師が、緩和ケアの対象となる患者と関わる際の認知や思考、行動の特徴を構成している要因を特定する。【方法】対象者は有意抽出法にて選定し、データ収集には半構造化面接を用い、患者と関わる際の思考や技術について語ってもらった。分析には修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた。【倫理的配慮】順天堂大学医療看護学部研究等倫理委員会の承認を得て実施した。【結果・考察】対象者は9名、看護師経験年数の内訳は1年1名、2年4名、3年2名、4年2名であった。分析の結果、14個の概念を抽出した。対象の傾向として、患者の苦しみを軽減するために患者の苦痛や要望に対応したいと考えており、その思考は問題解決志向のように思われた。また、患者に安心感を得てもらうためにコミュニケーション技法を駆使して関わろうとしていた。一方、自分の心を患者に表出してはならないと考えている点が対象の特徴であると思われた。さらに、患者の思いを理解する術の未熟さを自覚して、患者の気持ちははかり知れないと思い、そのため自分の考えにまだ自信が持てず、絶えず先輩からの保証を求めていた。これらの概念の中には、看護師が患者に共感をもって関われるようになる過程の初期の状態が潜在している可能性がある。しかし、理論的飽和に至らず、共感的関わりについてはまだ議論できない。理論的サンプリングが今後の課題である。テーマ:若手看護師がターミナル期の患者の家族ケアに関する思いを共有することによる思いの変化発表者:○須藤 朝美*3、三門 寛明、朝枝奈穂子、泉谷ありさ、皆川 麻美〈はじめに〉全室個室では、個室を希望して入院されるターミナル期の患者が多いが、若手看護師が多く、ターミナル期の看護に対する不安がある。看護師間でターミナル期の患者の家族ケアに対する思いを共有することで、思いに変化が生じ、積極的な関わりができるようになるのではないかと考えた。〈目的〉経験年数3年目以下の看護師を対象にターミナル期の患者の家族ケアに関する思いを共有するための話し合いをすることで思いの変化を調査する。〈方法〉経験年数3年目以下の看護師9名を対象にターミナル期の家族ケアに関する思いの共有を目的とした話し合いとケースカンファレンスを行い、その前後

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