医療看護研究会誌 第12巻1号
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順天堂大学医療看護学部 医療看護研究 第12巻1号(2015)3中に教員と最も効果的な方法を検討した。後者では、屏風型のホワイトボードを利用して教室を3つに区切り、スクリーンに各グループのスライドを投影する手法を紹介し実施した。  授業期間中には打ち合わせ内容に基づいて、実際のサポート活動を行っていく。サポートはKALSにおいて雇用している大学院生のテクニカルTAが担当し、スタッフはTAの育成やTAでは解決できない問題が発生した場合の対応などを行う。以下、授業期間中のサポートを授業前、授業中、授業後に分けて説明する。 授業前には授業期間前や授業後の打ち合わせ内容に基づいて、テーブル等の什器のレイアウトと機材の準備などの学習空間の設定を行う。また必要がある場合には、スタッフは教員と打ち合わせを行い、各回の支援内容の確認を行っている。授業中にはTAを中心に機材操作の支援を行う。支援内容としては、スクリーンに投影する映像の切り替えや、グループワークに応じた什器の組み替え、ICT機器の操作補助などがある。TAでは解決できないトラブル等が発生した場合にはスタッフが対応を行う。授業後には、教室の片付け(次の授業のセットアップ)と次回授業における機材利用や空間構成などの打ち合わせを行う。打ち合わせ内容はWeb上の業務日誌に記録され、次回の授業前に参照して準備を行う。 学期末にはKALS利用に関する学生アンケートや教員への聞き取りを実施し、次学期以降の支援の参考としている。(2) テクニカルTAの育成 KALSにおける授業中の支援活動は主に大学院生のテクニカルTAによって実施されている。本項ではKALS TAの育成の実際について述べる。KALS TAは経験者の紹介などによって募集を行い、採用されるとKALS TAのミッションや教室機材の理解のための研修を受ける。研修後はまず先輩TAと共同で授業支援業務に当たるペアワークを複数回実施し、先輩TAによって一人で基本的な授業中の問題解決が行えるなど、一定の支援が行えると判断された後に一人で業務に就くことになる。TAは毎回の業務後にオンライン上での業務日誌にて、授業の概要、次回セットアップの内容、今回の業務に当たっての振り返りなどを記入する。スタッフは記入された振り返りを確認し、適宜アドバイスを行う。 また各学期が終了した後には、TAとスタッフによる情報交換会を実施している。それぞれの担当授業において発生したトラブルや注意事項などを共有し、不安点や問題点などがあればTA同士のサポートによって解決できるように設計をしている。3.アクティブラーニング導入のための活動 これまでKALSにおける授業実施支援とその支援を支えるTA育成について述べてきた。アクティブラーニングへの注目が高まるにつれて、アクティブラーニングの手法をスタジオ以外における講義に取り入れることに関する活動の比重も年々増加している。KALSではアクティブラーニングの手法を学内に普及するために、1)アクティブラーニングに関するセミナーやワークショップの開催、2)冊子やニューズレターの作成などを行っている。(1) セミナー/ワークショップの開催 KALSでは年間2、3回程度アクティブラーニングに関する知見を学内の教職員に学んで貰うためのセミナーを開催している。2014年度は北米大学におけるSCALE-UP(Student-Centered Active Learning Environment for Undergraduate Programs)プロジェクトとオープンエデュケーションに関するセミナーをそれぞれ専門家を招いて実施した。また2015年度から新設される少人数制のアクティブラーニング型科目「初年次ゼミナール」に伴い、担当教員とTAに対してアクティブラーニングの手法を体験しながら、アクティブラーニング型の授業を行うために重要なことを考えて貰うためのワークショップを計7回実施した。(2) 冊子やニューズレター 同様にKALSではアクティブラーニングを普及するために、前述したセミナー等の内容をまとめたニューズレターや冊子を発行している。2014年度は東京大学における授業時間が90分から105分に変更されるのに伴い、増える15分間でアクティブラーニングを実施して貰う目的で「+15 minutes」7)という冊子を発行した。冊子では105分授業を行うに当たっての注意点やアクティブラーニングの手法の紹介を行っている。Ⅲ.マギル大学におけるアクティブラーニング支援 2013年2月にカナダ・モントリオールにあるマギル大学のTeaching and Learning Services(以降、TLSと示す)を訪れ、アクティブラーニング教室の視察や、アクティブラーニング導入のための取り組みについて調査を行った。本章では、その調査に基づいて、マギ

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