医療看護研究会誌 第12巻1号
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順天堂大学医療看護学部 医療看護研究 第12巻1号(2015)63【結果・考察】Cronbachのα係数を用いて検討を行った結果、尺度全体でα係数0.94、4つの下位尺度で0.80以上の高い一貫性が認められた。再テスト法において、テスト-再テスト間にICC(1, 2)0.86と高い結果が得られ、尺度の高い安定性と一致度が確認された。尺度の妥当性は、因子分析により、〈目標を定めて対処・選択する能力〉、〈症状に注意をはらう能力〉、〈継続しながら体調を整える能力〉、〈必要な支援を求める能力〉の4下位尺度、計36項目のRA患者のセルフケア・エージェンシー尺度「RASAS」が構成された。次に、ESCAを用いて基準関連妥当性の検討を行った。RASASはESCAと間に有意な正の相関が認められた。よって、本尺度の一定の併存妥当性が示されたと考えられる。【結論】以上から、本尺度RASASは、高い信頼性と妥当性を有し、今後の研究への応用と臨床応用に十分に耐えうることが示唆された。IT産業で働くシステムエンジニア職が気分障害により休職に至るまでのプロセス氏    名 下山 満理研究指導教員 櫻井しのぶ【目的】IT産業で働くシステムエンジニア職の社員が、メンタル不調をきたし気分障害(精神疾患)となり休職に至るプロセスを明らかにし、メンタル不調者の早期対応・予防につながる支援の手がかりを得ることを目的とした。【方法】都内IT産業で働くシステムエンジニア職社員で、気分障害で1カ月以上休職し、復職をした20~30歳代の男性社員7名へ半構成的面接調査を実施し、グラウンデット・セオリー・アプローチに準じた手順で分析を行なった。調査期間は2014年5月29日~2014年11月25日であった。 【結果】職場のストレスからメンタル不調をきたし気分障害となり休職に至るプロセスは《関係性がうまくとれない》 《問題を抱え込み自身を追い詰める》 《自らを閉じ込める》の3つのカテゴリーで構成されていた。メンタル不調となったきっかけとして、周囲との《関係性がうまくとれない》ことが大きく、〈交流の少ない職場〉の中、経験のない作業や新たな役割に戸惑い、周囲と〈人間関係がうまくいかない〉ことで苦悩を抱えていた。また周囲へ相談ができず《問題を抱え込み自身を追い詰める》ことがメンタル不調になった大きな要因であり、〈自分の中で解決できず苦悩を抱える〉状態に繋がり、思考が内向きとなり《自らを閉じ込める》ことで休職に至ったプロセスが明らかになった。【考察】職場内において《関係性が上手くとれない》ことや《問題を抱え込み自身を追い詰める》状況から、チーム内で孤立しメンタル不調に陥っており、孤立化させない支援が休職を予防するために重要である。①本人が問題に直面した際解決にふさわしい思考を習得すること、②上司が部下に歩調を合わせ本音が話せる関係性を作ること③孤立させないための連帯感や助け合える職場の風土づくり、④上司や周囲の早期介入や対応の4つを行うことが望まれる。これらの支援を行うにあたり、産業看護職は各段階において、職場メンバーと連携し、適切なセーフティーネットを張っていくことが必要であることが示唆された。青年期にある男子学生の妊産婦とのかかわりにおける母性看護学の学習体験のプロセス氏    名 戸村 恵理研究指導教員 村中 陽子【目的】青年期にある男子学生は、妊産婦とのかかわりにおいて、母性看護学の授業(講義・演習・実習)の中でどのような体験をし、どのように感じ、考え、行動しているのか、その学習体験のプロセスを明らかにすることを

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