医療看護研究会誌 第12巻1号
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順天堂大学医療看護学部 医療看護研究 第12巻1号(2015)65精神看護学実習における看護学生が統合失調症患者の実像を捉えるプロセスと影響要因氏    名 原田  瞳研究指導教員 上野 恭子【目的】本研究の目的は、精神看護学実習において初めて統合失調症患者を受け持つ学生が、患者の実像を捉えていくプロセスを明らかにし、さらにその過程に影響を及ぼす要因を抽出することとした。【方法】本研究は、質的探索的研究である。看護系大学3大学に在籍する看護学生のうち、調査時に精神看護学実習が終了して半年以内であり、精神看護学実習にて統合失調症患者を受け持ち、かつ実習にて初めて統合失調症患者と関わった看護学生12名を対象に、半構成的面接を行った。 分析方法は、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(Modied Grounded Theory Approach)を用いて、継続的比較分析を行った。【結果・考察】分析の結果、20の概念から8つのカテゴリーが生成された。精神看護学実習で初めて統合失調症患者を受け持った学生は、《怖さがあり近づけない》状態があり、教員や指導者に《患者の見方や関わり方を教わる》ことで《怖さを払拭しようとする行動》をとっていた。患者と関わりながら徐々に《患者に対する安心感》を得て、自己の振り返りによって《患者と向き合う覚悟》を固めていた。その後学生は患者と向き合い《患者の体験を自分で確認する》ことができ、《患者の内的体験への関心》を広げながら《患者を実像として捉える》ことができていた。【結論】初めて統合失調症患者を受け持つ学生が患者の実像を捉えるプロセスは、患者の見方と関わり方を学び安心して患者と関わりながら《患者と向き合う覚悟》を固めることで患者の実像を導く行動に至るプロセスであった。影響要因は《患者の見方と関わり方を教わる》《患者と向き合う覚悟》《患者の内的世界への関心》であった。学生が患者の実像を捉えるプロセスを促進する教育方法は、①《患者に対する安心感》を得られるような支持的な支援、②ディスカッションやプロセスレコード等によって、患者との関係性を吟味し、自己洞察を得ながら《患者と向き合う覚悟》を促進する支援、③学生の患者との関わりを見守り、関係性の深まりや患者の理解に対して肯定的なフィードバックをすることで学生の《患者の内的世界への関心》を深める支援であった。メタボリック症候群である中年期男性の健康に関する認知的評価と健康行動の採択の関係氏    名 三村美智子研究指導教員 青木きよ子【目的】メタボリック症候群及び予備群である中年期男性の健康の認知的評価と健康行動の採択の関係について明らかにし、この結果から導き出された因子間の関連性を考慮した上でのメタボリック症候群及び予備群の対象者が、健康行動を実施していくための看護支援を実施する示唆を得ることを目的とする。【方法】メタボリック症候群及び予備群の中年期男性である対象者が保健指導を受ける医療機関2施設において、無記名自記式質問紙調査を行った。認知的評価には、基本属性、健康状態が関連すると仮定し、健康行動の採択には、認知的評価、基本属性、健康状態が関連すると仮定し調査項目を選定した。【結果】回収した質問紙のうち、有効回答数110名(有効回答率63%)を分析対象とした。「認知的評価」総得点の平均値が14.5±4.73点、下位尺度「影響性の評価」総得点の平均値が4.1±1.58点、「脅威の評価」総得点の平均値は3.2±1.62点、「コミットメント」総得点の平均値が4.0±1.47点、「コントロール可能性」総得点の平均値が3.7±1.36点であった。「健康増進行動」総得点の平均値が123.5±19.38点、下位尺度「健康意識」総得点の平均値が18.9±4.52点、「精神成長」総得点の平均値は22.1±4.28点、「身体運動」総得点の平均値が15.7±4.86点、「人間関係」総得点の平均値が25.0±3.69点、「栄養」総得点の平均値が22.1±4.30点、「ストレス管理」総得点の平均値が19.7

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