医療看護研究会誌 第12巻1号
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平成26年度 順天堂大学大学院医療看護学研究科看護学専攻修士論文要旨66±4.10点であった。 「認知的評価」には、メタボリック症候群該当項目数と心の健康度の影響が示唆された。「健康増進行動」には、心の健康度、認知的評価の下位尺度「影響性の評価」の影響が示され、また職位、扶養家族、年齢の影響が示唆された。【考察】対象者自身の人生の捉え方や健康行動と人生がどのようにかかわってくるのかを共に見つめ直すようにし、対象者の人生に沿った保健指導をおこなっていくことが重要である。対象者がどのような状況におかれているのか把握するとともに、健康状態に付随して自己の社会的側面にどのような影響がもたらされるのかという点から、対象者にアプローチしていくことは有用であると考えられた。筋萎縮性側索硬化症患者の診断初期の病いの体験氏    名 宮澤 初美研究指導教員 青木きよ子〈目的〉本研究の目的は、看護職者の関わりが少ないとされる、診断初期にあるALS患者にとっての病いの体験を明らかにし、看護職者にできる支援を検討するための示唆を得ることである。〈方法〉関東近郊の大学病院でALSと診断され、告知後初めて外来に訪れた患者3名を対象に半構造化面接を行った。症状を自覚してからの体験を語ってもらい、その内容を質的記述的に分析した。〈結果〉診断初期にある研究協力者の病いの体験は、【予期しなかった人生に直面して苦しむ】【治療を諦めきれず葛藤する】【本来あるべき自分を維持しようとする】という3つのコアカテゴリーで構成された。【予期しなかった人生に直面して苦しむ】は、[予期しなかった難病に直面する][将来の不安を抱き悲嘆する][厳しい日常生活を送る][本来の自分との違いに苦しむ]の4カテゴリーで、【治療を諦めきれず葛藤する】は、[回復への期待と諦めが混在する]で構成された。【本来あるべき自分を維持しようとする】は、[できるだけ自分で対処したいと思う][病気に負けないように対処する][人の助けを借りて乗りこえようと思う][信仰から学ぶ]から構成された。〈結論〉苦悩しながら孤独に闘っているように見えるALS患者の診断初期の病いの体験は、病いと直面する中で希望を失うまいともがく体験であった。また、過去の自分と現在とを比較して苦悩する体験は、失ったものの価値を知り、相対的価値での苦悩から自己価値の再発見へと向かう体験でもあった。この時期に必要な看護とは、患者が自分の身体や気持ちに向き合えるように見守ったり、タイミングを見ながら気持ちを聴いたり、話せる雰囲気をつくりながら待つことであると考える。さらに、日々感じている不自由さに対処するための具体策を共に考えることであり、十分な情報を提供することも求められる看護であると考える。糖尿病患者が認知している多発神経障害症状に対処するプロセス氏    名  村岡 知美研究指導教員  青木きよ子【目的】本研究は、糖尿病神経障害のある患者が認知している多発神経障害症状に対処するプロセスを明らかにし、症状緩和のセルフマネジメント教育への示唆を得ることを目的とする。【方法】対象は、2型糖尿病で外来通院中、「糖尿病性多発神経障害の簡易診断基準」により診断、告知され、罹病期間10年以上、糖尿病性多発神経障害病期分類後期の患者であり、本研究に対して協力を得られた患者10名である。データ収集には、半構成的面接法でインタービュー調査を1人1回実施し、M-GTAを用いて分析を行った。【結果】分析の結果、23概念、5サブカテゴリー、6カテゴリーが生成された。糖尿病神経障害のある患者が認知している多発神経障害症状に対処するプロセスとは、【日々感じる症状】から【何とかしようと行動を起こす】、【医

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