医療看護研究会誌 第12巻1号
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順天堂大学医療看護学部 医療看護研究 第12巻1号(2015)67療者の力を借りる】の二つのプロセスに分かれていた。【何とかしようと行動を起こす】患者は、〈対処を探す〉、〈経験的に対処する〉、〈状況を自分で判断する〉など独自の方法で対処し、【対処することで症状の緩和を実感する】プロセスであった。【対処することで症状の緩和を実感する】は〈経験的に対処する〉に影響を与え、継続的な対処に繋がっていた。しかし、症状に対して【慣れや諦め】を感じ【何もしなくなる】に至る患者もいた。【考察】多発神経障害症状の対処へと向かうプロセスは、【日々咸じる症状】、から【何とかしようと行動する】、【医療者の力を借りる】の二つのプロセスに分かれていた。患者がどのプロセスをたどっているのか、今後たどるプロセスの予測を立て、タイミングよく患者個々にあった対処方法を、患者と共に考えていくことが必要であることが示唆された。初産婦と経産婦の予防接種に対する認識氏    名 安田 雅一研究指導教員 工藤 綾子【目的】日本の予防接種率は先進国と比較しても低く、原因として保護者への予防接種についての情報提供が効果的ではないと言われている。予防接種教育を「いつ・どこで・誰が」行うのが最も効果的かについては未だ明確にされておらず、妊婦、更に初産婦と経産婦における予防接種における認識の相違を明らかにしたものはない。そこで、本研究では初産婦と経産婦を対象に予防接種に対する認識の相違を比較検討し、妊産婦への教育的介入の示唆を得ることを目的とする。【方法】初産婦においては大学病院で妊婦健診中の母親、経産婦においては保育園児をもつ母親、それぞれ150名を対象とした。各施設長の同意を得た後、研究者から対象者へ調査についての説明を受けることに同意が得られた母親に対し、調査の趣旨を文書と口頭で説明した。無記名自記式質問紙用紙を使用し同封した返信用封筒の返送をもって同意が得られることを説明した。【結果・考察】初産婦と経産婦では、「知識の有無」において経産婦の群が有意に高い結果が認められた。第一子の予防接種に関する経験が関係していると考えられる。「不安の有無」においては両群ともに有意差は認められなかった。不安の内容は副作用が全体の約80%を占めていた。予防接種の講習会は必要性を認識しているが参加には至っていなかった。講習会の受講希望期では妊娠中が多く、妊娠期の早い時期における教育的介入が望まれる。講習会の受講場所においては、初産婦では「病院」、経産婦では「クリニック」が多く、地域における医療者との連携が求められる。【結論】初産婦と比較し経産婦は予防接種における知識を有していた。全体の約80%の母親は予防接種における副作用についての不安を抱えていた。予防接種教育については、地域における医療者との連携のもとに、妊娠期からの学習を考慮した教育プログラムの作成やシステムの構築が求められる。母子健康手帳交付面接での保健師の養育ハイリスク妊婦への気づき氏    名 山口 真理研究指導教員 櫻井しのぶ【目的】保健師が母子健康手帳交付時の面接において、どのような点に継続支援の必要性を感じ、養育ハイリスク妊婦と判断していくのかを明らかにすることである。【方法】日常業務において、妊娠届出に来所した妊婦に対し母子健康手帳交付時面接を実施している、A県内地方自治体に所属する保健師11名に対し半構成的インタビューを行った。保健師は妊婦のどのような点に気づき、どの

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