医療看護研究会誌 第12巻1号
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中澤明子:アクティブラーニングを授業に導入するための支援体制:日本とカナダにおける事例からの検討4ル大学におけるアクティブラーニング導入のための支援内容や支援体制について述べる。1.アクティブラーニング教室の概要 マギル大学では、アクティブラーニング教室が6教室あり(2013年2月時点)、そのうち4教室はダウンタウンキャンパス、2教室はマクドナルドキャンパスに設置されていた。調査当時、さらに新たなアクティブラーニング教室を設置準備中であった。これらの教室は、一つの講義棟に集約されているのではなく、キャンパス内の講義棟に点在している。たとえば、教育学部棟や地理学棟などである。教員は、所属する学部に関係なく、アクティブラーニング教室を利用可能である。 前章で述べたKALSは、可動式の什器があるスタジオ型教室である一方、マギル大学のアクティブラーニング教室は、スタジオ型教室ではなく、固定の円卓と可動式の椅子が備わる教室が主であった。設置されている教室は、それぞれ広さや設備が異なっており、授業に合わせて教室を選択できる。なお、アクティブラーニング教室の詳細については、TLSのWebページ8)で確認できる。2.アクティブラーニング教室におけるアクティブラーニングの導入・実施体制 アクティブラーニング教室を使う教員へのサポートは、図3のとおり、授業前後/授業中、率先的サポート/応答的サポートに分けられている。率先的サポートとは、すべての教員が必要とする支援を予測して、サポートを提供するものである。一方、応答的サポートは、必ずしもすべての教員が必要とするものではなく、教員からの要望があった際に提供するものである。以下で、各支援について詳細を述べる。 図3授業前後の「率先的サポート」のうち、授業方法に関するワークショップは、アクティブラーニング・ストラテジー・ワークショップというものである。具体的には、アクティブラーニング教室を使う教員を対象にしてアクティブラーニングのための授業方法のワークショップを、任意参加で開催しているとのことであった。ワークショップは3時間ほどで、機材操作といったテクニカルな説明ではなく、授業方法に焦点を当てている。ワークショップの各アクティビティでは、アクティブラーニング教室の設備機材を用いた手法を取り入れており、ワークショップを通して実際の授業方法を体験することができる。一方、教室オリエンテーションは、授業方法ではなく教室の設備機材に焦点を当て、教員に紹介するというものである。そのほか、メーリングリストでの連絡や、アクティブラーニング教室やアクティブラーニングを導入した授業を行う上で参考となる情報源を紹介する(リソースの提供)ことを行っている。 また、授業中の「率先的サポート」としては、学生を対象とした教室オリエンテーション、授業の手伝いがある。教室オリエンテーションは、学生に対して教室の設備機材について説明を行い、授業の手伝いは、授業中に簡単な手伝いを行うというものである。 こうした授業前後、授業中のサポートは、「率先的サポート」として位置づけられている。これらとは異なり、「応答的サポート」つまり、教員からの要望に対して行われる支援は、日程を決めて行うものと、即時的なものとにわかれている。 日程が決まった授業前後の「応答的サポート」とし図3 アクティブラーニング教室における支援内容(Tover 20109)を著者が翻訳)

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